従業員が語る!ニューワークスタイルの今

当社グループが2020年4月に本格的にテレワーク体制へと移行してから8か月が経過しました。そこでWeb会議システムを利用して座談会を開催し、現在の状況やさらなる浸透に向けた課題について、当社グループの従業員に語ってもらいました。
 

参加者のご紹介

■Y
アドバンストテクノロジー事業において、金属調加飾フィルムやPMMA/PC2層シートの営業として、主に中国市場を担当している。自宅近くにあるサテライトオフィスで業務を行う。

■J
マテリアルソリューション事業において、建設・産業資材、包装資材などを製造する
古河工場 管理部所属。週3日のみ出社で、それ以外はテレワークを行う。この3月に第2子が生まれたばかり。

■N

マテリアルソリューション事業において、建設・産業資材、農業資材などの営業を担当している。大阪支店長として、部下14名の育成・管理が目下の最大のテーマ。原則週1日のみ出社で、それ以外はテレワークを行う。

■S

ウェーブロックホールディングス株式会社 経理財務部所属。出社は月2日程度で、それ以外はテレワークを行う。5歳の子どもの母親として、育児と仕事を両立している。

■O

ウェーブロックホールディングス株式会社 人事総務部所属。グループの働き方改革を主導するニューワークスタイル(NWS)プロジェクトのリーダー。座談会の進行を務める。

テレワークに対する家族の反応は良好

本日はお集りいただきありがとうございます。
皆さんテレワークをしていますが、ご家族の反応はどうですか?

■S
私には5歳の子どもがいます。緊急事態宣言下では子どもも家にいたため、子どもの世話と仕事の両立が非常に大変でしたが、現在は保育園に預けられているので、集中して仕事ができています。通勤時間がかからず、保育園へお迎えに行く時間も早くなったので、子どもも喜んでいます。また、家のこともゆっくりでき、多くのメリットを感じています

■J
私はこの3月に子どもが生まれたばかりなので、在宅勤務だと仕事を一時中断して子どもをお風呂に入れたり、食事させたりできるため、妻は非常に助かると言っています。また、遅い時間まで残業することもありますが、自宅にいると精神的に安心だとも言われました。一方で、私が在宅勤務を行っていると私の昼食の準備をしなければならないことが面倒くさいと言われましたね(笑)

 

 

■O
食事を自分で作るという選択肢もありますね(笑)
Yさんはサテライトオフィスで業務を行っていると思いますが、いかがですか?

■Y

私が所属する(株)ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジー(WAT)では、偶然にも社員3名が同じ地域に住んでいることもあり、自宅周辺にサテライトオフィスを開き、そこで業務を行っています。自宅まで自転車で15分なので、何かあれば仕事中に一度自宅に帰ることもできるため家族は非常に喜んでいます。

■S

先ほど、緊急事態宣言下は子どもの世話が大変だったと言いましたが、一方で、子どもの成長を実感できたこともありました。以前は出社時間に合わせて子どもを早い時間に起こしていたため眠そうで、保育園の準備がなかなか進みませんでしたが、今は睡眠時間が十分にとれているからか見違えるようにシャキっとして、自分で準備ができるようになりました。

部署内のコミュニケーションは良好
しかしメールだけでは真意が伝わらないという課題も

テレワークとなって部署内のメンバーと顔を合わせる機会が減ったと思いますが、コミュニケーションは十分にとれていますか?

■S
経理財務部では、部署内のメンバーとチャットを使ってコミュニケーションをとっています。仕事の相談はもちろん、顔を合わせていた時に話していたようなプライベートな話題も毎日チャットしているので、テレワークでも十分にコミュニケーションはとれていると感じています。

■N
営業職としては、テレワークは非常に怖いと思っています。事務所では部下がお客様との商談に苦労している姿を身近に見ることができ、努力している部下に対して配慮することができましたが、テレワークになって部下の業務のプロセスを見ることができず、業績でしか評価できなくなることを危惧しています。

■Y
私が所属する営業チームでは十分にコミュニケーションがとれていると思いますが、Nさんの発言には同じ営業の立場として共感する部分が多くあります。私たちチームでは、毎朝Web会議でその日にやることを共有し、仕事が終わったら毎日テレワーク報告書を書くルールにしており、上司が私の業務の進捗状況や課題が把握できるよう、分かりやすい説明や報告書の作成を心がけています。

■N

私が統括する大阪支店でも定期的にWeb会議は行っていますが、メールのみでの報告に不安を感じます。フェイス・トゥ・フェイスでの報告では顔色、口調などから部下の心情の微妙な変化を察知し、その時々に応じた適切なアドバイスができますが、メールだけだと真意が伝わらず、歯車が狂ったまま修正できない可能性もあるので、そこは気を付けています。例えば顧客からメールで催促されたとしても、軽い気持ちの「早くしてくださーい」なのか、切羽詰まった「早くしてください!」なのか分かりませんよね。

■S
Nさんが言う通り、メールでは行間がなかなか伝わらないところが難しいと思います。ですので、まめに上司に相談しています。部署内では業務ごとに分けた掲示板を作って課題等を共有していますので、十分にコミュニケーションはとれていると思いますが、出社している時とは違った漠然とした不安を感じることはありますね。

Jさんがいる工場ではテレワークが難しいと思いますが、状況はいかがですか?

■J
工場では現場でしかできない仕事も多いので、テレワークしている人が少ないのが現状です。私が所属する人事総務課では、工場内で突発的に起きる様々な出来事への迅速な対応が求められますが、工場にいればすぐに会話することができますが、テレワークでは同様にはいきません。そのようなコミュニケーションの機会は減ったかもしれませんが、上司や部下と連携して対応するようにしています。

■Y

先ほど、十分にコミュニケーションがとれていると言いましたが、確かに、実際に会って相手の目を見て話すことも重要だと思います。テレワークで実際に会える機会が少ないからこそ、何かの機会で会った時にはその時間を大切にしたいですね。Web会議であれ対面であれ、相手の顔を見ながらしっかりと自分の考えを伝えることの重要性がより高まっていると感じています。

人材育成のやり方も

テレワーク環境に適して進化させることが必要

先ほど、Nさんから部下とのコミュニケーションについての苦労話がありました。テレワークとなった今、上司・部下の対話はどのように行っていますか?

■N
先ほど話した通り、営業の立場としては、商談の成約率を上げたり、業務を効率化するためのアドバイスが必須ですが、コミュニケーションが十分に行えていない場合、お互いの意思疎通が上手くいかず、情報が微妙に食い違ってしまうことがあります。

■J
やはりテレワークになってからは、部下とのコミュニケーションが減ったという実感はあります。従来は、毎週、会議室で顔を突き合わせて情報共有を行っていましたが、テレワーク導入後は定期的なWeb会議を行うことにしました。加えて、古河工場では最近、管理職研修を取り入れ、上司と部下の1対1の対話の機会を増やしていこうとしています。

■N
従来、大阪支店では「自分がしゃべり始めたらそこが会議室だ」と冗談めいて部下に言うほど、お客様との商談での回答の仕方などについて、頻繁にコミュニケーションをとっていました。ところが、テレワークで部下の姿が見えなくなり、今まで行っていたような普段の何気ない会話のなかでの指導はやり難くなったと感じています。どういう方法が良いのか答えは見つけられませんが、テレワーク環境に適した部下の教育や管理へと変えていく必要があると思っています。

■J
私は部下に対して自発性・積極性を求めていますが、すぐに上司に答えを求める傾向が強いことに問題意識を持っていました。テレワークになり部下の仕事が滞ることを懸念していましたが、私が傍にいないことが好転したのか、部下の自発的な行動が垣間見えるようになりました。部下の成長が感じられたことは非常に良かったと思っています。

■O
テレワークで人材育成の課題が顕在化したということですね。当社グループにとって非常に重要なテーマなので、しっかりと改善していきたいと思っていますので、人材育成や教育などに関する要望や意見があれば、遠慮なく言ってください。

消費者に商品の魅力を伝える重要性が

ますます高まっている

■Y
私は海外担当なので、個々のお客様と実際に顔を合わせるのは1
か月に1~2回程度で、それ以外は電話がほとんどでした。しかし、今は頻繁にWeb会議を行っているので、逆にお客様と顔を合わせる機会が非常に増えたと感じています。一方で、WAT営業チームの今の最大の悩みは、感染を防ぐためにお客様から訪問を拒否されることですね。Nさんがいる大阪支店ではいかがですか?

■N

確かにお客様を訪問できないのは非常にデメリットですが、今、私が部下に言っていることは、消費者の価値観の変化に伴って購買行動も変化してきているため、我々の商品や商流も変えていく必要があるということです。我々の商品は商社や問屋、ホームセンターなどの小売店に卸していますが、その先にいる消費者がどこに価値を感じているのかを見極めることが重要です。

■O
コロナをきっかけに、営業スタイルも変えていく必要があるのでしょうね。

■Y
WAT
では車のディスプレイなどに使う透明の樹脂シート(PMMA/PC2層シート)を作っていますが、それを使って食事会などの乾杯時にソーシャルディスタンスが確保できる透明の衝立が作れるのではないかと話しています。自分たちが気づいていない製品の使い方があるのではないかと思います。

■N
用途提案はとても重要です。商品を作って終わりではなく、消費者に効果的な使い方を提案することで、商品の魅力が理解され、はじめて商品の購入につながります。そのためには、ダイレクトメールを送ったり、動画投稿サイトや
SNSを活用した販促も効果的だと思います。

■Y
WAT
の社長も「これからはSNSでのアピールが必要だ」と言っており、同じサテライトオフィスで働くメンバーの1人がSNS戦略を担当しています。また、以前は中国のお客様に対し、スーツケースにプレゼン資料や商品サンプルをたくさん詰め込んでお客様を訪問していましたが、Web会議を行うようになると、実際の商品を触ってもらうことはできないので、商品の魅力をどのように伝えるかが課題となっています。Nさんの話は非常に参考になりました。ありがとうございました。

■O
今日は皆さん、貴重な意見をいただきありがとうございました。ニューワークスタイルの実現に向けた行動はまだ緒についたばかりです。さらに働きやすい会社を目指して体制を整えていきますので、皆さん、これからもご協力をお願いします。

テレワーク導入への取り組みについて

東京オリンピック対策を視野にテレワークの検討を開始

新型コロナウイルス感染症の収束が見えないなか、ウェーブロックグループでは、2020年12月現在、東京本社、大阪支店、九州支店の80%以上の社員が毎日テレワークを行っています。
当社本社は東京オリンピック会場の近くに位置しているため、大会期間中の通勤対策を視野に入れ、東京オリンピックを翌年に控えた2019年4月からテレワークの検討を開始しました。
2019年10月よりトライアルとして部分的にテレワークを開始したものの、なかなか浸透しない状態でした。
しかし、2020年4月に新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言が発令され、社員と家族の健康を守るために2020年4月から原則テレワークへ移行し、結果的には想定していた以上に短時間で浸透しました。
ガイドラインの作成やトライアルの実施などある程度の基盤はできていたため、大きな混乱はなくテレワークに移行することができました。

具体的なスケジュール

働く場所と働き方を社員が選択できる会社へ

テレワークの導入によって社員が働く場所を選択できる環境となれば、優秀な人材を地域を問わず採用できるようになるでしょう。
加えて、場所を選ばず仕事ができるため、災害などによるBCP(事業継続計画)対策にもつながります。
しかしながら、まだ一部、出社しないと対応できない業務も残っており、また、社員間のコミュニケーションや社員教育についても課題があるため、引き続き環境整備を進めてまいります。