ウェーブロックホールディングスを支えるTEAM Wavelock。
仕事と向き合い、人と技術・素材の可能性を探求しています。
2020年から、未来を描くための社員インタビュー。
vol.6 人は変化し続けるもの、営業職は工夫で面白くなる |
2021年9月 |
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株式会社ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジーは食品・医薬品等に使われる軟包装用ティアテープや、ダンボール・紙袋類のカットテープの販売を行なっている。ティアテープとは、チョコレート菓子などのビニール包装を剥がす時に引っ張る、あのテープだ。ティアテープ製造の世界トップシェアを占める大手メーカーの2社と日本での販売代理店契約を結び、国内の様々な企業に納入してきた。この営業を担当するのはC-tec TG所属のT.Mさん。2009年に入社後、ウェーブロックホールディングスの経営企画室から日本ウェーブロックの輸出入関連部門を経て、C-tec営業に配属。顧客対応から、海外に拠点を置くサプライヤーとの生産管理・調整に10年以上携わっている。どのように仕事に取り組み、出会う人々とどんな関係を築いてきたかお話を伺った。
− ティアテープが一般消費者の手に届くまでの流れを教えてください。
T.M ティアテープは、サプライヤーとなるメーカーが、フィルムに印刷・粘着加工をし、その後製品幅へのスリット・ボビンへの取り巻きをした上でメーカーより出荷
致します。そのティアテープを例えば我々のクライアントの工場でお菓子などのパッケージに加工して、商品として販売されます。
− サプライヤーについて、製造工場はどこにあるのですか?
T.M ティアテープ製造では世界トップシェアの大手の製品を取り扱っています。ヨーロッパ、アメリカ、インド、インドネシア、ブラジルに工場がありますが、日本にはヨーロッパとインドで製造された製品を輸入しています。こういう世の中なので、いつどこで物が出てこなくなるかわかりません。常に供給ルートは確保しておいた方がリスクマネジメントとしても良いと考えています。
− 取り扱っているティアテープの特徴はどんなところでしょうか。
T.M 粘着加工済みの薄いフィルムを細くスリットし、ボビン巻きに巻き取るという技術が、簡単そうに見えて、コツがいるようです。業界では、粘着済みタイプと熱で張り付けるヒートシールタイプがあります。
− お菓子のパッケージに使われているのは、薄くて細いティアテープですね。他にはどんな場面で利用されていますか?
T.M 例えばお菓子を小売店に納めるために10個や20個まとめる場合にも、オーバーラップフィルムとティアテープで包装されます。製薬メーカーでも同様に、個包装や配送用の小分けのパッケージなどに使用されています。
− 商品パッケージだけでなく、流通の過程でも活用されているんですね。
T.M そうですね。ティアテープは、みなさんあまり意識せずに、普段から触れているものだと思います。
- 営業をするにあたって、自社の強みと感じる部分はどんなところでしょうか?
T.M スピード感が一番だと思います。例えば、顧客でのトラブルの際にフットワークよく動けること、ある程度の意思決定を現場で行うことができること、メーカーとの連絡がほぼオンタイムで行えること。担当がエリアごとに分かれていないことも、他社とは違う魅力だと言われます。また、顧客先から新たな商材の相談を受けた際に、国内外で探して提案できることもあります。
- 顧客の信頼を得るために気を付けているところはありますか?
T.M 自分がやられて嫌なことはしないように気をつけています。お客さんにも機密がたくさんあるので、筆記用具は場合によってはテーブルの上には出しません。私はできるだけ記憶するようにしています。あとは話していて弊社の対応が必要な時にその場で指示を出します。そうすると、「すぐやってくれて、ありがとう」と言ってもらえます。
私がお客さんを頼ることもある。別の工場の担当者を紹介してもらい、アポイントまで取ってくれることもあって。こちらが頼ると、より信頼関係ができていくんですよね。
T.Mさんはこれまでサプライヤー訪問のため、年に数回、ヨーロッパ、インド、シンガポールなどに出向いてきた。2020年年初にヨーロッパへの出張を終えた直後から新型コロナウイルスの影響が広がり、現在は国内で業務を行っている。これまでの海外出張についても伺った。
- 海外のサプライヤー訪問では具体的にどんなことをされるのですか?
T.M 工場監査にあわせ、情報交換・品質関連・購入見込・改善要望などの打ち合わせを行います。インドでは現場の人たちと一緒に、具体的な生産計画・スケジュールまでつっこんだ話をします。
それから、自分たちが何を作っているのかわからないとモチベーションにつながらないと思うので、毎回、ティアテープが使われているお菓子をオペレーターにも十分いきわたるように持っていきます。これだけ綺麗な商品になるなら、製造も気をつけようと思ってもらうよう気を配ることも仕事です。お菓子はオペレーターのお子様達にも喜ばれますしね。
- 過去には、インドの工場への切り替えも担当されたんですね。
T.M 取り扱いさせて頂いている1社はイギリスに本社と工場がありますが、インド工場の切り替えの検討の話がありました。インドの可能性は未知数でしたが、品質評価、コミュニケーションの反応速度が素晴らしかったです。最初は衛生管理のために、弊社古河工場の品質管理担当者にも同行してもらい、防虫モニタリングの頻度やパレットの積み方も細かく指示をしました。
- 海外出張の際に気をつけていた、ご自身のルールなどあれば教えてください。
T.M 体調管理として、インドでは常に腹3〜4分、ヨーロッパではよほど美味しいと思わない限り常に腹4〜5分で抑えていました。インドでは特に気を付けます。インドの工場には食堂もあるんですが、私にはいつも季節の果物を持ってきてくれます。それから、市場調査を兼ねてスーパーには必ず行きました。
- 渡航が難しい状況ですが、インドが恋しいですか?
T.M まだ行けませんね。工場の方から「いつ来るの?」と言われます。インドでは結婚式にも出席させてもらったことがあるんですが、すごかったです。食べ物はバナナの大きな葉っぱに、カレーが盛り付けられていた。花嫁さん花婿さんご家族がひな壇のような場所に座って、みんなが挨拶にいく。衣装もすごく華やかなんですよ。
- 良いご関係ですね。新型コロナウイルスによる影響は、現在はどんなことがありますか?
T.M 物流が混乱していて、船が遅れることですね。まだそういう状況が続いています。ちょうど昨日も待っていた船が来てくれて、それまで国内の在庫をやりくりしていました。
- ご自身で感じる、お仕事のやりがいを教えてください。
T.M 自分が考えた施策のアクションの結果が短期で目に見えてわかることです。新しい方法や工夫したことへの反応が、直接わかるのが楽しいと思います。
- その前向きなエネルギーは、どこからきているのでしょう。
T.M 世の中には色んな人がいて、出会えるって面白いですよね。この仕事をやっていて良かったと思うのは、私は食べることが大好きなんです。地方のお客さんには兼業農家さんもいて、キュウリや春菊をいただいたり、季節ごとに美味しいものを教えてもらったり。私も感想を話して、どんどん情報交換をします。そうしていると、仕事もちょっとしたことでは関係が切れないんですよ。100人に会えば10人は自分に合う人がいるから、面白いですね。
- 営業のお仕事には、はじめから抵抗はなかったのですか?
T.M もともとは人見知りで、1日1件を訪問するのも、アポをとるのも慣れませんでした。最初は、何を話せば良いかわかりませんでした。製品の知識もなく、クレーム対応の経験もなく、自信がありませんでした。でもこの業界に女性が少なかったせいか、皆さん根気良く教えてくれました。
一番時間がかかるのは、製造過程について理解することで、サプライヤーの担当者と工場訪問を重ねることで身に着けました。積極的に、お客さんに会いに行くことに抵抗がなくなったのはこの6~7年くらいの事でそれまではこんなに楽しいものだと思わなかったです。
あるお客さんの工場に行くと暑くて汗だくになるので、「近くに良いお風呂があるよ」と教えてもらったこともあります。お互いに家族の話もします。私が英語を話すこともあって、お子さんの進路の相談に乗ったり、英語の勉強法を話したり、インドから戻ればどうだった?と話す。仕事の話ばかりじゃないんです、人間関係ですね。
私たちも一緒になって考えてくれる協力会社さんとは、一緒に頑張ろうって思いますよね。そうやってお付き合いしてきたからこそ、今のように困ったことがあっても、相談をすれば柔軟に対応してもらえるんだと思います。
- 今、世の中は変化の時とも言われますが、「変化」についてどう感じていますか?
T.M 変化って人それぞれですが、毎日ちょっとずつ違いますよね。逆に、変わらないってどういうことだろうって思います。私は日々違うと思ってきました。人はいつ死ぬかわからない、生きるなら楽しいほうがいいなと思います。