ウェーブロックホールディングスを支えるTEAM Wavelock。
仕事と向き合い、人と技術・素材の可能性を探求しています。
2020年から、未来を描くための社員インタビュー。
2020年度から2021年度に入社した若手社員たちに注目し、会社との出会い、新しい環境で取り組む仕事、それぞれの挑戦や想いについてのインタビューをお届けします。
vol.8 ハロー、ニューワールド。ナイストゥミーチュー。<後編> |
2022年5月 |
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●中学時代はボート部に所属、いまもボートが好きです。
株式会社イノベックス 技術開発部 A.Hさん
2021年度入社、埼玉県出身
− A.Hさんは、ボート競技をされていたんですね。
A.H 中学時代に、1人漕ぎ、2人漕ぎ、4人漕ぎを経験しました。地元の埼玉県戸田市には荒川が流れていて昔から船の文化があるので、街をあげてボート競技をやっているんです。
− 大学時代はどんなことに熱中しましたか?
A.H 実験に熱中しました。専攻は無機化学、金属酸化物のポリオキソメタレートという物質の研究です。そもそも合成することが難しい物質だったので、まずは形にすることが一つの到達点でした。そこから実際にどう扱えるのか、どういう性質があるのかという、小さい到達点を作って研究しました。
− 就職活動はコロナ禍の影響があったと思いますが、どのように進めましたか。
A.H 2020年3月末から説明会等が中止かオンラインになり、会社によっては採用活動が完全に止まってしまっていました。自分は金属系に行きたかったのですが、範囲を広げて化学系のものづくりの会社で開発や研究の仕事を探そうと考え、弊社を見つけました。大学での専攻は金属の高分子で、プラスチックも高分子なので近いかなと思ったこともあります。一番はものづくりというところに惹かれました。
− 就職活動で会社の対応について、印象に感じたことはありますか?
A.H 弊社は、実際に会ってみて親切な人が多いと思ったことと、面談などもきちんと進んで、就活生のことをちゃんと見てくれている会社だと感じました。
− 入社してからどんな業務を担当していますか。
A.H 食品包材、食品容器に使われるシートの技術開発を担当しています。物性試験用のシートのカットをする作業から始まり、物性試験、シートの新規材料の使用検討、製品規格の改訂のための試験などを行っています。
− 物性試験とはどんな内容でしょうか。
A.H 例えば、シートを細長く切り、それを上下に引っ張ってどのくらい伸びるか、どこで破れるか。シートを正方形に切ってオーブンに入れ、縦方向にどのくらい伸びるか横方向にどのくらい伸びるかといったものです。
− 入社前と実際の業務でギャップはありましたか?
A.H 仕事は大変だろうと思ってはいましたが、想像よりも大変でした。学んだことをメモして、作業してもう一回覚えて、何かおかしいと思ったら先輩に聞いてという流れを自分の中でなんとか作って、また次の試験を繰り返す。そのサイクルが早くて大変でした。
− 担当しているお仕事の難しさは、どんな部分でしょうか。
A.H 「技術開発」ということで新しいものを生み出し続けなければいけない、ということ。また、シートの新しい材料を検討する試験では、はじめから明確な正解がないところが難しいです。数種類の材料の結果を比べて、材料の良い部分を組み合わせられないかと検討を重ねています。
− 今のお仕事は、ご自分の性格に合っていますか?
A.H そう思います。細かい作業も好きですし、試験の内容を検討し良い方法を考えることも好きです。
− 入社してから自分自身に変化があったと感じていますか。
A.H 入社する前は、責任感をもって行動することや、自分から行動することが苦手でした。職場では周りの人も優しいので、どんどん自分からわからない部分を聞くようにしました。まだまだ苦手はありますが、少しずつ自分から行動できるようになってきていると思っています。
− 今後の目標を教えてください。
A.H いまは先輩に頼る部分が大きいので、少しでも自分で考えて独り立ちできるようになりたいです。また、来年度から部署に新人さんが入ってくる予定なので、先輩として行動できたらと思っています。
●保存食作りが楽しいです、梅干しにも挑戦します。
株式会社イノベックス 古河工場 産業資材生産部 生産1課 Y.Yさん
2020年度入社、神奈川県出身。
− Y.Yさんの、子供時代について教えてください。
Y.Y 地元は神奈川県相模原市、旧津久井郡で、とても自然に囲まれた場所でした。子供の頃から図鑑ひろげて植物などを調べるのが好きだったと思います。大学も科学系に進みました。
− 大学・大学院ではどんな分野を専攻しましたか。
Y.Y 有機化学を中心とした、合成化学を学んでおりました。「ポリイミド」という自動車のモーター等の巻線に使用される素材の研究です。一般的な家庭にあるプラスチックは曲げると白く変色して壊れてしまいますが、ポリイミドは曲げることも引っ張ることもでき、変色しない、強靭なプラスチックです。
− 就職活動で印象的だったことはありますか?
Y.Y 大学主催の合同説明会で弊社を見つけて、まず製品の種類がとても多いと思いました。製造方法も異なるだろうなと。勉強しがいがありそうで、面白そうだなと思いました。一番印象に残っているのは、最終面接の逆質問で、「御社の今後の課題は何だと感じていますか?」という質問を私から投げかけた時です。答えてくださったのは当時の常務で、「企業は生き物だということ。人も機械も年月が経つにつれ老朽化していく中で、どう代謝を良くしていくかが課題に感じている。」とお答えいただきました。この言葉をきっかけに、入社してからの働き方や、覚悟のようなものを抱いたのを覚えています。
− なかなか突っ込んだ質問をしたのですね。
Y.Y いま考えると、自分でもそう思います。
どんなお仕事からはじまり、現在はどんな業務を担当していますか。
Y.Y 古河工場の産業資材生産部生産一課に配属され、ラミネート工場にて製品の製造工程の見学を行い、製品の検反作業に参加しました。1000mや500mに巻いてあるロールから、50mなり決められた長さにカットするのですが、とても繊細な製品が多いんです。検反作業は、異物や欠点を見逃さないようにするもので、まずこの部分を学びました。 現在は、メルトコーター工場三号機で、基布繰り出し業務を担当しています。防水布製造に使用する基布の準備や繰り出しの設定、半製品の移動等を行うほか、検反作業を行い製品の加工を行っています。
− 三号機ではどんな加工を行うのですか?
Y.Y 塩化ビニールの樹脂を布にコートする機械です。ターポリンの元となる基布を送り出し、塩ビの樹脂を流し込んだロールに通すことで、樹脂が均等にコートされる仕組みです。機械は5人体制で動かしており、基布担当、巻き取り担当、バンク担当、自制担当、オペレーター(監督)がいます。三交代制で行っています。
− 製品をつくることは責任が伴いますよね。
Y.Y 布に塩ビをコートするだけといえば簡単に聞こえますが、実際は細かな技術が要求されるので、日々勉強です。機械操作を覚えたところなので、あとは良い製品を作り出すためにどれだけ技術を磨いていくかが大事だと思っています。
技術を磨くことは、向いていると思いますか?
Y.Y 負けず嫌いなんです。悔しいと思うと突き詰めることがよくあります。
− 仕事のやりがいをどのように感じていますか?
Y.Y 製品の種類によって製造方法も違うので、覚えることが多いのは大変です。でもその先に、自分が前まで見ていた製品を自分が作っているという感覚がとても新鮮です。
− 今後どのように働いていきたいと考えていますか?
Y.Y 常に挑戦を恐れない姿勢で働きたいと考えています。チャンスがあれば難しい課題でも挑戦し、自身の糧としたいです。
●バレーボールと英会話を始めたいと思っています。
株式会社ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジー 技術部 S.Wさん
2021年度入社、千葉県出身。
− S.Wさんは、大学・大学院ではどんなことに熱中しましたか。
S.W 研究活動に精を出していました。専攻分野は物理化学で、先端材料、界面科学を用いた光化学の研究、光の波長変換の研究を行っていました。学部で研究室に入ると研究期間が一年しかないんですね。もう少し突き詰めてやってみたいと思って大学院に進みました。
− 早い段階から研究活動を面白いと思ったのですね。
S.W そうですね、先生や環境、周りの雰囲気含めて研究室に恵まれたと思います。
− 社会人になってどんな風に働きたいと思っていましたか。
S.W 製品に近い開発や改良に携わりたいと思っていたことと、海外の人との関わりを増やせたら良いと思っていました。
− コロナ禍の就職活動でしたが、会社の対応で良いと感じたことはありましたか?
S.W 弊社は他企業に比べて、面接時や工場見学時に学生に寄り添っていただける印象を受けました。特に、面接時は緊張しすぎずに自分を出しやすいと思ったことを覚えています。工場見学では、今の部署の部長が案内をしてくださり、会社の実情や、ありのままを見せてくれました。先輩社員の業務を、体験とまではいきませんが少し触れさせてもらえたので、圧倒的に仕事がイメージできました。
− 現在の業務について教えてください。
S.W 自動車の内・外装用フィルム、レーダーエンブレム、ヘッドアップディスプレイなどに使われる特殊なフィルムの開発です。欧州を担当しており、ドイツやフランスの自動車メーカーが顧客です。業務は、顧客から依頼があったサンプルをターゲット色に合わせる調色作業、実機でのサンプル作製の立ち会い、発送作業等を行なっています。今はこのほかに、デザイン提案の案件にも携わっています。
− <前編>でご紹介したY.Tさんと同じ部署ですね。
S.W そうです。担当顧客とチームは違いますが、同じ範囲の仕事をしています。
− 調色作業の、色の配合はどのように作業するのですか?
S.W 接着剤に液状のインク顔料を調合して色をつくります。過去に行ってきた色配合の見本から近い色を探して、微調整を繰り返していきます。
− デザイン提案とは、どういった内容なのでしょう?
S.W 弊社から新しい製品を提案していくプロジェクトが始まり、そのひとつとしてデザイン性、意匠性を重視したサンプルを作製しました。部署のデザイナーの方がデザインの発案をして、それを実現できるか検討して作っていきました。この新しいサンプルは完成していて、中国や欧州向けに配布をはじめています。
− 入社1年目から、実践のお仕事ですね。
S.W かなり、やりがいはあります。
− 難しい部分はどんなところですか?
S.W サンプル依頼が来た時に、本当に客さんが望むものを汲み取って対応することが難しいと感じていています。「このサンプルが欲しい」と連絡が来ても、その後の工程を考えると、違うサンプルの方が良いのではないかと思うことがあります。顧客のために先の工程を考えることはかなり難しいです。
− 今後の目標など教えてください
S.W 様々な案件に携わっているのでそれぞれの良さを組み合わせて、より良い新しいものを作り出して案件を獲得したいと思っています。
− 自動車産業も変化していくと思いますが、自社の製品の将来性をどう考えていますか?
S.W いま、SDGsが注目されています。自動車も、自動運転やEV(電気自動車)は、これまでの材料では対応できない部分が出てきます。フィルムの電波透過性や機能性が非常に重要になってくるので、弊社の製品が採用されるポテンシャルは秘めていると思います。フィルムだから実現できることがある、将来性はあると思います。